所得税が決まるまでの流れ
所得税は、年収にそのまま税率をかけるのではなく、次の順番で計算します。上の計算結果の①〜⑩は、この流れと同じ順番になっています。
- 収入から「給与所得控除」を引く → 給与所得(もうけ)が出る
- 給与所得から「所得控除」を引く(基礎控除・社会保険料控除・扶養控除など)→ 課税所得が出る
- 課税所得に税率をかける → 所得税が出る
- 所得税に2.1%の復興特別所得税を足す
給与所得控除(令和8年分)
会社員は、スーツ代や通勤の準備などの経費を自分で計算する代わりに、年収に応じた決まった金額を差し引けます。
| 年収(給与収入) | 給与所得控除 |
|---|---|
| 220万円未満 | 74万円 |
| 220万円〜360万円 | 収入 × 30% + 8万円 |
| 360万円超〜660万円 | 収入 × 20% + 44万円 |
| 660万円超〜850万円 | 収入 × 10% + 110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
基礎控除(令和8年分)
| 合計所得金額 | 基礎控除 |
|---|---|
| 489万円以下 | 104万円 |
| 489万円超〜655万円 | 67万円 |
| 655万円超〜2,350万円 | 62万円 |
| 2,350万円超〜2,400万円 | 48万円 |
| 2,400万円超〜2,450万円 | 32万円 |
| 2,450万円超〜2,500万円 | 16万円 |
| 2,500万円超 | 0円 |
令和8年分・9年分は物価高への対応として上乗せされています。令和10年分以降は金額が見直される予定です。
所得税の税率(速算表)
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税 = 課税所得 × 税率 − 控除額
例:課税所得が300万円なら、300万円 × 10% − 97,500円 = 202,500円です。
年収別の所得税の目安(2026年分)
| 年収 | 課税所得 | 税率 | 所得税(復興税込み) |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 0円 | - | 0円 |
| 178万円 | 0円 | - | 0円 |
| 200万円 | 0円 | - | 0円 |
| 300万円 | 539,000円 | 5% | 27,500円 |
| 400万円 | 1,132,000円 | 5% | 57,700円 |
| 500万円 | 1,785,000円 | 5% | 91,100円 |
| 600万円 | 2,438,000円 | 10% | 149,300円 |
| 700万円 | 3,501,000円 | 20% | 278,400円 |
| 800万円 | 4,273,000円 | 20% | 436,000円 |
| 1000万円 | 6,162,000円 | 20% | 821,800円 |
| 1500万円 | 10,885,000円 | 33% | 2,099,200円 |
| 2000万円 | 15,775,000円 | 33% | 3,746,800円 |
社会保険料は自動計算(東京都の協会けんぽ・40歳未満)、扶養なし・ほかの控除なしの場合の目安です。
所得税を安くできる主な控除
- 配偶者控除・扶養控除:家族を養っている場合
- 生命保険料控除・地震保険料控除:保険に入っている場合(年末調整で申告)
- 小規模企業共済等掛金控除:iDeCoの掛金は全額が控除される
- 医療費控除:1年間の医療費が10万円(所得が200万円未満なら所得の5%)を超えた場合(確定申告が必要)
- 住宅ローン控除:所得税から直接差し引かれる「税額控除」
よくある質問
「収入」と「所得」の違いは?
収入は受け取ったお金の総額(会社員なら額面の年収)、所得は収入から経費を引いた「もうけ」です。会社員は実際の経費の代わりに「給与所得控除」を収入から差し引いたものが所得(給与所得)になります。
「178万円の壁」とは何ですか?
2026年(令和8年)分から、給与所得控除の最低額が74万円、基礎控除が最大104万円になり、合計178万円までの給与には所得税がかからなくなりました。これを「178万円の壁」と呼んでいます。この上乗せは令和8年分・9年分の特例で、令和10年分以降は見直される予定です。
税率が上がると、収入全体にその税率がかかるのですか?
いいえ。たとえば課税所得が200万円の場合、195万円までは5%、195万円を超えた5万円の部分だけが10%です(超過累進税率)。税率の区分を少し超えたからといって、手取りが急に大きく減ることはありません。
復興特別所得税とは?
東日本大震災からの復興のための税金で、所得税額の2.1%がかかります。2037年分まで続く予定です。
最終更新日:2026-10-29