まず知っておきたい「辞める前」と「辞めた後」の違い
会社員のあいだは、保険や税金の手続きを会社がほとんどやってくれています。退職すると、それをすべて自分でやることになります。
| 辞める前(会社員) | 辞めた後 | |
|---|---|---|
| 健康保険 | 会社の健康保険。保険料は会社と半分ずつ | 国保・任意継続・家族の扶養から選ぶ。保険料は全額自分 |
| 年金 | 厚生年金。会社と半分ずつ | 国民年金(月17,920円・令和8年度)。将来の年金額は少なくなる |
| 雇用保険 | 給料から0.5% | 条件を満たせば失業保険を受け取れる |
| 住民税 | 給料から天引き | 納付書で自分で払う。前年の所得にかかるので収入がなくても続く |
| 所得税 | 会社が年末調整 | 年の途中で辞めたら、確定申告で払いすぎた分が戻ることが多い |
| お金を借りる・カードを作る | 審査に通りやすい | 無職の間は審査が厳しくなる |
毎月いくらかかるかは、退職後のお金シミュレーションで計算できます。
退職前にやっておくこと
- 退職後の健康保険を決める:国保・任意継続・家族の扶養のどれにするか(保険料を比較)
- 会社に書類をお願いする:離職票(失業保険を受ける人)、源泉徴収票、健康保険の資格喪失証明書、年金手帳または基礎年金番号がわかるもの
- 住民税の払い方を確認する:1〜5月に辞める場合は、残りが最後の給料からまとめて引かれるのが原則
- 病院・歯医者に行っておく:保険の切り替え中は手続きが面倒になりやすい
- クレジットカード・ローンの審査は在職中に:引っ越しの賃貸契約なども在職中のほうが通りやすい
- 生活費を確保する:自己都合退職だと失業保険が出るまで2か月前後かかる。生活費の3〜6か月分が目安
- 有給休暇を消化する
退職後14日以内にやること
- 健康保険の手続き:国民健康保険は14日以内に市区町村の窓口へ(任意継続は20日以内に加入していた健康保険へ。家族の扶養は家族の勤務先へ)
- 国民年金への切り替え:14日以内に市区町村の窓口へ。マイナンバーカードがあればマイナポータルから電子申請もできる。配偶者を扶養していた場合は、配偶者も切り替えが必要
- 払うのが難しければ免除を申請:国民年金は失業による免除の特例がある。国保も会社都合なら軽減の届け出をする
手続きが遅れても、保険料は退職日の翌日の分までさかのぼってかかります。また、手続きしていない間に病院にかかると、いったん全額を自分で払うことになる場合があります。
離職票が届いたらやること
- ハローワークで失業保険の手続き:離職票は退職後10日前後で届くのが一般的。受け取れるのは退職日の翌日から1年なので、早めに手続きする(もらえる金額を計算)
- 会社都合なら国保の軽減を届け出る:ハローワークでもらう雇用保険受給資格者証などを持って市区町村へ
しばらくしてからやること
- 住民税の納付書が届いたら払う:6月ごろに市区町村から届く。年4回(6月・8月・10月・翌1月)に分けて払うのが一般的
- 確定申告をする:年の途中で辞めて、その年に再就職しなかった場合は、翌年2月16日〜3月15日に確定申告。毎月の給料から多めに引かれていた所得税が戻ってくることが多い
- 再就職したら:新しい会社に年金手帳(基礎年金番号)・源泉徴収票を提出し、国保の脱退手続きを市区町村でする(自動ではやめられないので注意)
次の会社が決まっている場合
退職日の翌日に次の会社に入社するなら、健康保険・厚生年金は新しい会社で手続きしてもらえるため、国保や国民年金の手続きは不要です。前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出せば、年末調整もまとめてしてもらえます。1日でも空白期間がある場合は、その間の手続きが必要です。
よくある質問
退職後の手続きで一番急ぐものは?
健康保険と年金の切り替えです。任意継続は退職の翌日から20日以内、国民健康保険と国民年金は14日以内が期限です。どの健康保険にするかは、退職前に決めておくとスムーズです。
次の会社が決まっている場合も手続きが必要ですか?
退職日の翌日に次の会社に入社する場合は、新しい会社で健康保険・厚生年金に加入するため、国保や国民年金の手続きは不要です。1日でも空白期間がある場合は、その間の手続きが必要になります。
最終更新日:2026-10-29